![]() Lee 1936-1939年 Lee COWBOY 101 B ヘアオンハイド 630,000円(税込) まさしく殿堂入りと言っても言い過ぎではないレベルのJEANSのご紹介です。 Lee 101 B COWBOY、それまではワークブランドとして確固たる地位を築いていたLeeがカウボーイに向けて初めて開発したのがこの101B COWBOYです。ブランドの名前を毛付きの牛革に焼印として刻み、本格的なカウボーイパンツとして販売いたしました。トップボタンはドーナツタイプの形状にLee COWBOYの文字が施され、フロントボタンには無地のドーナツボタンが使われております。このジーンズを36年〜39年と幅を持たせた理由はこのボタン部分のディテールにあります。フロントボタンがドーナツの場合はトップボタンがLee〜ではなく、UNION MADEというのが36年モデルで、Lee〜の刻印の入るトップボタンが付きフロントボタンがツルっとしたボタンが付くのが39年とされていた為、この2つのディテールが混同している以上、どちらのモデルとは断定が出来きません。ただ確実に30年代のものである事は間違いないと思います。股リベットやウォッチポケットに打たれたリベットにはかなり薄いですが、「LEE」の文字が刻印されています。この当時から「e」ではなく、「E」が使われていたのもビックリするディテールです。バックヨークとセンターのつなぎ目のステッチがペインターパンツやオーバーオールの様なトリプルステッチとなっているのが、元々ワークウェアブランドだった名残で、大戦モデルまでの貴重なディテールとなっております。バックポケットのステッチより下の部分には当て布がしっかりと縫い付けられております。Leeと言えばバックポケットのステッチはレイジーSとされておりますが、このJEANSのステッチはリーバイスのアーキュエイトでもレイジーSでもない中途半端なアールを描いております。JEANS部門へ参入したLeeの迷いがステッチにも反映されているかのような形です。このステッチは後に一度リーバイスと同じアーキュエイトや逆アーキュエイト(第2次世界大戦頃)を経て現在のレイジーSになります。このJEANSを最初に手にしたときにバックルバックが無い事に疑問があり、この年代にもバックルバックが無いモデルがあるのかと色々調べていましたが、やはりこの年代のパンツにはバックルバックが必須の条件でしたので、パンツを見直してみると!下の写真でもご紹介している通り、バックルバックを留めていたリベットの痕が発見されました。バックルバックが付いているモデルと見比べても寸分のくるいの無い箇所にしっかりとはずした痕跡を見つけることが出来ました。色落ちの濃淡の差がないことを考えると、まだ色が濃いうちに外してしまっていたようです。裾のステッチは色落ちの具合から考えて当時のものでは無いと判断致しました。サイドシームのセルビッチは片側にだけ紺色のステッチが入るタイプで、これは大戦モデルくらいまで使用されていたものです。このJEANSを見てLeeの本当の色落ちを見せ付けられたような気がしました。デニムはやっぱりリーバイス!と、どこかで思っていた自分が恥ずかしくなるくらいすばらしい色落ちをしています。 このジーンズの状態ですが比較的ダメージの少ない印象がございます。パンツを細くするためにアウトシームをつまみ、ステッチ留めをしていた痕が両アウトシームに確認が出来ます。生地を切って繋いでしまっているものが多くあるので切り取らないでくれて本当に感謝です。そのステッチを外してからも着用されていた様で、分かり難くはなっています。右腿から膝あたりにインクシミやボンド汚れがあり、左膝辺りには脱色と引っかきダメージがございます。その他にも小さなダメージや汚れ、ステッチの弱りは幾つかございますが、この年代になってくるとこくらいのダメージなら全く気にならないと思いますし、雰囲気として捉えて頂ける程度のものだと思います。バックルバックの付いていた思われる箇所のすぐ下に硬くなったボンド痕がございますが、着用レベルでは全く気になるものではございません。 30年代のJEANSになるとリーバイスが20本見つかってもLeeは良くて1本見つかるかどうかというレベルです。しかもヘアオンハイドの毛がほぼ残っているという軌跡的な状態の良さです。世界で数人だけが手に出来る奇跡のJEANSと言っても言いすぎではないでしょう。 ◆表記サイズ:不明 ◆実寸サイズ:ウエスト 77cm/30.3inch レングス 74cm/29.1inch |